大正４年の話
私事で恐縮ですが、以下ご容赦願います。
当社事務所の東隣に乾物商時代の古い建物があります。建物の屋根裏の棟札には「大正４年５月吉日」との記載があります。築後９５年の建物です。さすがによる年波で老朽化が進み、取壊しか改修かの決断に迫られました。古い建物ですが、残すことが可能であればと考え、改修工事を進めています。
大正４年（１９１５年）とは、・・・
時の総理大臣は、大隈重信（第２次大隈内閣）でした。
前年（１９１４年）にヨーロッパで勃発した第１次世界大戦に、日本は日英同盟に基づき参戦しました。
日本は国土が戦火に見舞われなかったこと、また明治以来の工業の近代化が進んでいたこと、により他の参戦国からの軍儒品の注文が殺到し「大戦景気」でした。
日本は、大正４年１月、中国の袁世凱大統領に対しいわゆる「対華２１カ条の要求」を突き付け、ここから中国への進出が始まります。
当時の世相は、「カフェ」・「銀ブラ」・「今日は帝劇明日は三越」に象徴されるように好景気を謳歌。
「ゴンドラの唄」（いのち短し 恋せよ乙女 紅き唇 あせぬまに・唄：松井須磨子）、
「割烹着」（婦人之友が考案）、「亀の子たわし」が大人気。
一方、那珂湊は、大正２年（１９１３年）１２月２５日に湊鉄道の「勝田—那珂湊」が開業（那珂湊-磯崎は大正１３年に開業）しています。
日本も、那珂湊も、元気で景気の良かった時代の話です。
関東大震災 ：１９２３年の８年前
世界恐慌 ：１９２９年の１４年前
５・１５事件：１９３２年の１７年前
のことでした。(H22.11.25)
