台風・自然災害と損害保険
近年、全国での自然災害や台風の被害が大きくなっているように感じられます。幸いにも茨城県・特に那珂湊地区は、気候と地形の関係から、自然災害の少ない地域といわれています。ありがたいことです。
まもなく、台風のシーズンです。過去にも、ひたちなか地区でも多くの被害が発生しました。
さて、台風の被害ですが、自分のところが被害を蒙ることは大変ですが、第三者を巻き込んだトラブルも多く見受けられました。①強風で屋根の瓦が飛ばされ、隣家の建物や車を傷つけた。②店の看板が飛ばされ、隣家のガラスを割ってしまった。③風で飛ばされたバケツを避けようとして車が事故を起こしてしまった。等々です。
被害を受けた側とすれば当然損害賠償を請求したくなると思いますが、損害を起こした側に損害賠償義務はあるのでしょうか?
結論を言うと、原則は「賠償義務はない」となります。台風のような天災による被害の修復は自己責任であるというのが法律の考え方です。一見理不尽な考えに見えますが、天災による事故は、「その所有者・管理者に明確な管理責任がない場合は、その賠償義務を免れる」ということです。
つまりは、危険であることを承知していながら十分な対策を講じていなかったがために損害が発生した場合は、賠償責任がある、ということです。具体には、屋根瓦がずれ落ちそうになっているのに放置し、それが風で飛ばされ・・という場合は責任があるということになります。
また、法律論は別にし、ご近所とトラブルになって幸せな状況になることはありませんので、日頃から建物の状況に目を配り、台風などの場合は風で飛ばされそうなものを片付け、不要なトラブルを防ぐことが一番です。
一方、こうしたトラブルを防ぐには、損害保険が有効です。すべてではありませんが、保険でカバーできることが多いのも事実です。火災保険も、その補償範囲がいろいろとありますので、もう一度保険内容を確認し、万一の事故・トラブルに備えることが重要です。(H27.8.25)